現代の千利休を求めて

ゲームプログラマーのブログ

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2016年振り返り スマホアプリ・ソーシャルゲーム市場の変化と未来

どうも千利休です。
モバイル業界に恐れ多くもいさせていただいている身として、2016年は市場的にもかなり変化がある年となりました。
実際に1年を通して何が変わったのか、そして2017年は果たしてどうなるのかを書いていこうと思います。 

 

 

 

1年間で変わった日本トップセールスランキング

年始のデータはまだ取れないので、Google,AppStoreの合計1日売り上げのランキングを2015/12/31と2016/12/31のデータで集計しました。
AppAnnieのデータに準拠しております。

トップ30までのランキングです。
赤い背景のアプリは前年度にランキングに入っていたアプリになります。
これだけ見ると案外ランキングのメンツに大きな変動はないなあと感じます。

新しいアプリで見ると

  • シャドウバース
  • ポケモン GO
  • KOF
  • 遊戯王デュエルリンクス
  • モバイルストライク
  • プロスピA
  • LINE 漫画
  • ワンピースサウザントストーム
  • 白猫テニス

となっております。
しかしよくみてください、なんと半数はコンシューマから引っ張ってきたIPモノになっています。純粋なものでいくとシャドウバースと白猫テニスしかありません。

しかし上位層は強い、なんだかんだまだパズドラとモンストが上位独占中です。
このランキングだけで見るとあんまり変わらんのーという印象ですが実際は違います。
この一年は波乱に満ちたものでした。

 

任天堂がついにスマホに

この1年、一番衝撃だったのは任天堂のスマートフォンゲームアプリ市場の本格参入ではないでしょうか。

  • ポケモン GO
  • スーパーマリオラン

が実際にリリースされました。
ポケモンGOはNianticなので任天堂本体に収益はほとんど入らないものの、それでもポケモンというIPがどれだけ強いかは世界中に知らしめました。
またARと言うのを一気に一般認識させたというのも素晴らしいことです。
ですがARアプリが売れるかと言われるとそれはあくまでポケモンのIPがあったからであって決して売れるわけではないことを肝に銘じておかなければいけません。
また売り上げ6億ドルをわずか3ヶ月足らずで達成しており、これは今までのアプリで最速の売り上げ記録達成とのことでした。

 

また12月でのリリースで記憶に新しいスーパーマリオラン、こちら基本無料売り切り型で1200円、この値段がニュースになっていたりもしました。
こちらも3日間で1400万ドル(日本円で15~16億円)の売り上げとなっておりポケモンGOに比べるとインパクトは少ないが、売り切り型でこれだけの収益を上げられるんだと新しい未来を見せてくれました。

 

コロプラ・ガンホーの巨人が落ちる

コロプラの決算発表は衝撃的だった、時価総額は半分近くまで一時下がっている。
ドラゴンプロジェクトやサッカーなどアプリをリリースしているのにも関わらず、四半期推移(QonO)で見ると、
売上高:221億円190億円
営業利益:99億円57億円

と大幅な減収減益となっている。

正直まだ減ってもこの売り上げはすごいなと思うのだが、ソシャゲで成り上がって右肩あがりの成長をしていただけに2Q連続の減収減益はきつい。
ソシャゲという不安定な市場で勝負しているから多少の上下は仕方ないものの、株主にしてはたまったものではないのだろう。
4Qは3Qほどの落ち込みはないかなと思うが復調するかと言われると良くて3Qとどっこいどっこいだろう。

 

またガンホーもやはり良くない。
パズドラでソシャゲ界隈を一躍世に広めたその会社も今や落ち目だ。
2015年2Qと2016年2Qを比べると
売上高:377億円297億円
営業利益:177億円125億円
となっている。
ここもパズドラ一本で成り上がったとこではあるものの、実はまだまだ売上高は高い。
また直近はセブンスリバースをリリースしたものの、この減少幅は埋められそうにないのが実情だ。

両者ともゲームに頼りっきりの会社だが、やはり不安定な市場で戦っている以上仕方ないかもしれないが、やはりレッドオーシャン化してきているというのは間違いない。

しかしその中でも複数事業を持っているサイバーエージェントは非常に好調だ。
パズドラやモンスト並とは行かないまでも高い売り上げを誇るゲームを定期的にリリースしており成長に鈍化は感じさせない。
今まで仕切っていた会社の世代交代が始まったという印象だ。

 

動画サービスが全盛期に、AbemaTVはどうなるのか

2016年は動画サービスの乱立の年でもありました。

  • Netflix
  • Amazon Video
  • Hulu
  • dTV

などが成長してきました。
もちろん引き続きyoutubeなどもありますが、月額の動画サービスはお互いに競争を激化させた年でもありましたね。
世界的に見ても各国に動画サービスは新しく生まれており、今後こう言ったモデルは増えていくものと思われます。

その中でサイバーエージェントがリリースしたAbemaTVは衝撃的でした。
インターネットTVと銘打ったこのアプリはTV朝日と共同で開発しており、MAUは2016年9月時点で約600万となっており、順調に成長しています。
2017年は200億円の投資を予定しており、ほとんどは広告かTV制作費になると思われますがかなり本気な様子。
正直このサービスはそんじょそこらの会社では真似できないので是非頑張って結果を出してみてほしいと思います。
動画サービスはどこもそうですが収益化をどのようにするのかでサービスがどうなるのか決まっていくので是非頑張ってみてほしい。

中国iOS App Store収益が遂に世界一に

世界人口が多い中国が遂にAppStoreの収益で世界1位に躍り出ました。
今までは米国・日本・中国の順でしたが、中国・米国・日本となりました。
これで中国の市場での成功は見逃せないものとなってきました。

では日本の会社が中国にアプリリリースすればいいのかとそんな簡単にはいかない複雑な事情があります。
ですので直接リリースではなく、現地のパブリッシャーと協力してアプリをリリースすることが多いのです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。
2016年も栄枯盛衰でした。
ゲーム系は一強の王者時代が終わり、戦国乱世な雰囲気になってきました。
この中でどこが下克上でのし上がってくるのか楽しみなところです。
モバイルにもVRが流れ込んできており、そろそろプラットフォームが変わる時代の境目に来ている頃かなーと感じております。
ただライフハッカー系のアプリは様々なものが新しく出てきており、まだまだスマホ市場も捨てたものではないなと言う印象です。

さて現役モバイルプログラマーの2016年振り返りでした。
2017年もよろしくお願い致します。